介護職って、長く続けられる仕事なの?
介護の仕事は嫌いじゃないけど、この先も続けられるか不安…
そんなふうに感じたことはありませんか?
介護職は、
利用者さんの生活を支えるやりがいのある仕事です。
しかし、夜勤や不規則な勤務、人間関係、新人指導など、長く働くなかではさまざまな悩みに直面します。

私は特別養護老人ホームで20年働き、現在もグループリーダーとして介護現場に携わっています。
実は、最初から強い決意を持って介護職を目指していたわけではありません。
祖母との生活をきっかけに介護に興味を持ち、大学卒業後に就職しました。
気づけば20年。。。
介護職を続けるなかで、仕事に対する考え方や、職員との向き合い方も少しずつ変わってきました。
この記事では、介護職を選んだきっかけや仕事のやりがい、大変さ、続けるうえで大切にしていることを実体験をもとに紹介します。
介護職を目指している方や、今の仕事を続けるか悩んでいる方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
この記事の執筆者
- 介護福祉士
- 現役グループリーダー
- 夜勤経験1,500回以上
- 特別養護老人ホーム勤務20年
- 新人育成・認知症ケアに携わる
介護職を選んだきっかけは祖母との生活だった


私が介護職を目指すきっかけになったのは、幼い頃から身近にいた祖母の存在です。
当時は介護職になるとは考えていませんでしたが、



祖母と過ごした日々が将来の進路を選ぶうえで大きな影響を与えました。
祖母の介護が身近にあった幼少期
私が介護の仕事に興味を持ったきっかけは、祖母の存在です。
祖母は私が5歳のときに脳梗塞を発症し、右半身に麻痺が残りました。
それでも、負けず嫌いな性格だった祖母は懸命にリハビリに取り組み、身の回りのことを少しずつ自分でできるようになりました。
両親が共働きだったため、私は祖父母の家で過ごす時間が長く、祖母の手伝いをすることも自然と増えていきました。
ときにはお小遣いをもらうこともありましたが、私にとっては特別なことではありません。
祖母と一緒に過ごす日常の一部でした。
また、祖母がデイサービスを利用していたため、送迎に来る介護職員の姿を見る機会もありました。
当時は、介護という仕事を深く理解していたわけではありません。



それでも、高齢者の生活を支える仕事が身近にあったことは、進路を考えるうえで大きな影響を与えたと思います。
大学で福祉を学んでも介護技術は身についていなかった
高校時代、通学バスで見かけた福祉系大学の広告が気になり、進学先として考えるようになりました。
入学したのは、福祉と心理学を学べる福祉心理学科です。
しかし、私が通った学科には介護技術を学ぶ授業がなく、実際の介助方法についてはほとんど知識がない状態でした。
現場実習も経験しましたが、当時の私は受け身で、積極的に学ぼうという姿勢が十分ではありませんでした。
正直に言えば、勉強よりも友人との時間を楽しんでいた大学生活だったと思います。
授業をさぼったこともあり、大学生活を振り返ると、



もっと真剣に学んでおけばよかったと感じます。
一方で、今でも付き合いが続いている友人に出会えたことは、大切な財産です。
介護について十分な知識や技術を身につけられないまま、卒業を迎えることになりました。
今考えると、介護の専門性は学校で学ぶだけでなく、現場に出てからも学び続けることで深まっていくものだと感じています。
介護職として就職し、20年働き続けてきた
就職活動は決して順調ではなかった
大学卒業が近づいても、私は就職活動に積極的ではありませんでした。
周囲の友人が次々と内定を決めていくなか、なかなか行動できずにいました。
最初に受けた高齢者施設の採用試験は不合格。
その後も就職活動に本腰を入れられず、気づけば卒業間近の2月になっていました。
ようやく応募した施設で採用が決まり、介護職として働き始めることになったのです。



当時は、介護職として働く明確な将来像を描けていませんでした。
それでも、偶然のような流れで入職した施設で、20年間働き続けることになりました。
入職3年目に介護技術の大切さを実感した
介護職として働き始めた頃は、分からないことばかりでした。



介助方法は先輩職員の動きを見ながら覚えることが多く、最初は上手くできませんでした。
特に難しかったのが、利用者さんの身体に負担をかけず、自分自身も無理をしない介助方法です。
転機になったのは、入職3年目の頃でした。
経験豊富なパート職員から、ボディメカニクスについて教えてもらったのです。
ボディメカニクスとは、身体の動きや力の働きを理解し、介助時の負担を軽くするための考え方です。
例えば、腕の力だけに頼らず、重心の移動を意識することも一つの工夫です。
それまでの私は、介助に必要な身体の使い方を十分に理解できていませんでした。
しかし、基本的な考え方を学んだことで、介助方法を見直すきっかけになりました。
もちろん、ボディメカニクスだけですべての介助が安全になるわけではありません。
利用者さんの状態に合わせた介助方法や福祉用具の活用、必要に応じた複数職員での対応も欠かせません。
この経験から、介護は単なる力仕事ではなく、知識と技術が必要な専門職なのだと実感しました。
5年目には現場のリーダーを任されるようになった
入職して5年ほど経った頃、現場でリーダーとしての役割を任されるようになりました。
最初は、自分が周囲の職員をまとめる立場になることに不思議な気持ちもありました。
しかし、
介護の仕事は一人では成り立ちません。
利用者さんの状態を共有し、職員同士で協力しながらケアを進める必要があります。
経験を重ねるにつれて、自分が介助できることだけでなく、周囲の職員が安心して働けるように考えることも大切だと感じるようになりました。
現在もグループリーダーとして、職員とのコミュニケーションや新人育成に携わっています。
介護職をしてきて感じた3つのやりがい


介護職として働くなかで、大変なことはたくさんあります。
それでも、長年続けてきたからこそ感じる仕事のやりがいがあります。
①利用者さんのその人らしい生活を支えられる
介護は、食事や排泄、入浴などの介助を行うだけの仕事ではありません。
利用者さんがこれまで大切にしてきた生活や価値観を尊重し、その人らしく暮らせるように支援する仕事です。
例えば、更衣に介助が必要な利用者さんでも、すべての動作ができないとは限りません。
本人ができる部分は見守り、難しい部分を支援することで、残された能力を活かせる場合があります。



もちろん、利用者さんの体調や希望によって、必要な対応は異なります。
- この方は、どのような生活を望んでいるのだろう?
- 自分でできることを続けてもらうには、どんな支援が必要だろう?
そう考えながら関わることが、介護の専門性につながると感じています。
一人ひとりの生活を大切にしながら支援できることは、
介護職としての大きなやりがいです。
②利用者さんの小さな変化に気づける
介護の仕事では、利用者さんの様子を日々観察することが大切です。
例えば、
- 食事の量が少ない
- いつもより表情が暗い
- 普段より会話が少ない
- 歩くときの様子が違う
こうした小さな変化が、体調や気持ちの変化に気づくきっかけになることがあります。
もちろん、一つの変化だけで原因を判断することはできません。
必要に応じて、
看護師やほかの職員と情報を共有し、利用者さんの状態を確認する
ことが大切です。
私は介護職の経験を通して、介助の速さや正確さだけでなく、普段との違いに気づく観察力も重要だと感じてきました。



利用者さんの変化を見逃さず、必要な支援につなげられることにも、介護職としてのやりがいがあります。
③職員同士で協力して仕事を進められる
介護現場では、忙しい時間帯ほど職員同士の連携が重要になります。
一人では難しい介助も、ほかの職員と協力することで安全に進められる場合があります。



また、利用者さんへの対応に悩んだとき自分とは違う考えを聞くことで、新しい方法が見つかることもあります。
長く働くなかで、周囲の職員に助けられたり、ほかの職員から学んだりする機会もありました。
自分一人では気づけなかったことに、仲間との会話から気づくこともあります。
介助に迷ったときに相談できる職員がいることは、安心して働くうえで大きな支えになっています。
介護職を長く続けるなかで感じた大変さ


介護の仕事にはやりがいがあります。
しかし、やりがいがあるからといって、大変さがなくなるわけではありません。
夜勤や不規則な勤務による負担
特別養護老人ホームでは、土日や祝日、お盆や年末年始も勤務になることがあります。
夜勤もあるため、一般的な平日勤務の仕事とは生活リズムが異なります。
私自身、夜勤を1,500回以上経験してきました。



しかし、経験を重ねたからといって、夜勤が楽になるわけではありません。
例えば、
- 記録を始めた途端にナースコールが鳴り、対応を終えると別の利用者さんから呼ばれる
- 排泄介助や起床介助が重なると、限られた時間で複数の業務に対応しなければなりません
夜勤は、経験だけで解決できない難しさがあると今でも感じています。
一方で、平日休みには、混雑を避けて外出しやすいといったメリットもあります。
私も休日には旅行やドライブ、温泉などで気分転換をしてきました。
それでも、不規則な勤務が身体に負担をかけることは事実です。



仕事を続けるためには、休息を確保し、自分自身の体調にも目を向ける必要があります。
新人指導で感じた伝え方の難しさ
私が新人だった頃は、先輩から厳しく指導されることもありました。
当時は、その指導方法は当たり前のように受け止めていた部分もあります。
しかし、今振り返ると、厳しく伝えることと、相手を威圧することは違います。



現在は指導する立場として、どのように伝えれば相手に理解してもらえるのか悩むことがあります。
例えば、介助方法に改善が必要な場面です。
ただ「そのやり方は違う」と伝えるだけでは、何が問題なのか十分に理解してもらえない場合があります。
大切なのは、なぜその方法では危険なのか、どのように改善すればよいのかを具体的に説明することです。
また、指導する側と受ける側で、言葉の受け止め方が異なることもあります。
だからこそ、普段から声をかけ、分からないことを相談しやすい関係をつくる必要があります。



職員が安心して質問できる環境は、新人の成長だけでなく、利用者さんの安全にもつながると考えています。
責任感から仕事を抱え込んでしまうことがある
介護現場では、利用者さんへの対応を優先するあまり、自分の負担を後回しにしてしまうことがあります。
例えば、
- 忙しくても仕事を断れない
- 自分がやった方が早いと考える
- 業務がおして休憩を取りづらい
- 他の職員に迷惑をかけたくない
こうした状況が続くと、身体だけでなく気持ちにも余裕がなくなってしまいます。
介護職として責任を持つことは大切です。
しかし、責任感があるからといって、すべてを一人で抱え込む必要はありません。
そもそも、職員数や業務量など、個人の努力だけでは解決できない問題もあります。



長く働くためには、利用者さんの安全だけでなく、職員自身が無理なく働ける環境も必要だと感じています。
介護の仕事は好き。でも、しんどいと感じていませんか?
夜勤や人間関係、職場での役割など、介護職ならではの悩みは、周囲に話しにくいこともあります。



介護職『よりそい』サポートでは、現役介護職として20年働いてきた経験をもとに、お話を伺っています。
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介護職を続けて大切だと感じる3つのこと


私は、現在もグループリーダーとして新人育成にも携わっています。
そのなかで大切だと感じているのは、
職員同士で情報を共有し、一人ひとりが安心して働ける環境をつくることです。
①困ったときは状況を具体的に共有する
介護現場では、利用者さんの対応やナースコールなど、いくつもの仕事が重なることがあります。
そんなとき、ただ「忙しい」と伝えるだけでは、周囲の職員も何を手伝えばよいのか判断しにくい場合があります。
例えば、
「Aさんの移乗は二人介助なので、応援をお願いできますか?」
このように、何に困っていて、どのような協力が必要なのかを具体的に伝えることが大切です。



また、利用者さんの対応に迷ったときも、情報を整理して共有すれば、ほかの職員と一緒に考えやすくなります。
一人で何とかしようとするのではなく、必要な場面で協力を求めることも、安全な介護につながります。
②新人指導では理由まで伝える



新人職員に仕事を教える際、手順だけを説明しても、十分に理解してもらえないことがあります。
大切なのは、なぜその方法が必要なのかを伝えることです。
例えば、移乗介助について説明する場合です。
単に介助の手順を教えるだけでなく、利用者さんの身体状況や安全面についても説明することで、介助の目的を理解しやすくなります。
また、新人職員が質問したときは、できるだけ話を最後まで聞くように心がけています。
質問しづらい環境では、分からないまま介助を続けてしまう可能性があるからです。



指導する側も、自分の経験や方法がすべて正しいと思い込まないことが大切です。
相手の考えを聞きながら、一緒に成長できる関係をつくっていきたいと考えています。
③自分自身の心と身体を守る
介護職は、利用者さんの健康や安全に気を配る仕事です。
一方で、自分自身の疲労やストレスには気づきにくいことがあります。
私自身、夜勤や不規則な勤務を長年経験してきました。



だからこそ、仕事を続けるためには、休息や気分転換も必要だと感じています。
例えば、
- 疲れているときは休息を優先
- 悩みを信頼できる人に相談する
- 夜勤明は無理に予定を入れない
- 業務量が多すぎる場合は職場に改善を求める
どれも特別な方法ではありません。
しかし、忙しい毎日では、こうした基本的なことを後回しにしてしまう場合があります。
また、工夫しても勤務体制や人員配置によって負担が軽くならない場合は、一人で抱え込まず、管理者に現状を伝えることも大切です。



自分自身を大切にすることと、利用者さんを大切にすることは、どちらも重要だと考えています。
介護職を続けるか迷っている人へ伝えたいこと
介護職を20年続けてきた私ですが、誰にでも長く続けることを勧めたいわけではありません。
介護の仕事にやりがいを感じていても、今の職場環境が合わない場合もあります。
- 人間関係が改善されない
- 夜勤の負担が大きすぎる
- 相談しても職場の状況が変わらない



こうした問題があるときは、自分の努力だけで何とかしようとしなくてもよいと思います。
まずは何がつらいのか整理してみる
今の仕事を続けるか悩んでいるときは、何が負担になっているのかを書き出してみましょう。
例えば、
- 介護の仕事が負担なのか
- 人間関係に悩んでいるのか
- 勤務体制が身体に合わないのか
- 業務量に無理が生じているのか
悩みの原因によって、考えられる対応は異なります。



次に、職場で改善できる可能性があることと、自分だけでは変えられないことを分けてみましょう。
例えば、業務の進め方については、職員同士で相談することで改善できる場合があります。
一方、人員配置や勤務体制などは、管理者による対応が必要になることもあります。
困っている状況を具体的に整理して伝えることで、職場内でも問題を共有しやすくなります。
今の職場で改善が難しいときは、ほかの働き方も考えてみる
職場に相談しても状況が変わらず、心身への負担が続くこともあります。
そんなときは、今すぐ辞めると決めなくても、ほかの職場の働き方を知っておくことも一つの方法です。



同じ介護職でも、施設の種類や勤務体制、職員配置などによって働く環境は異なります。
例えば、夜勤の負担が大きい場合は、日勤中心の求人や、勤務条件の異なる施設を調べてみることもできます。
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今の職場で働き続けることに不安があるなら、ほかの職場の求人を確認することも一つの方法です。
自分に合った働き方を考えるきっかけにしてみてください。
まとめ|介護職を20年続けた今、伝えたいこと
私が介護職を選んだきっかけは、祖母との生活でした。
明確な目標があったわけでもなく、就職活動も決して順調ではありませんでした。
それでも、介護現場で経験を重ね、利用者さんの生活を支える大切さや職員同士の協力の必要性を学びました。
20年間働いてきた今でも、介護の仕事には簡単ではないと感じる場面が多くあります。
- 利用者さんへの対応に悩む
- 新人指導の難しさを感じる
- 職場の人間関係について考える
そのなかで、これからも大切にしたいことがあります。
利用者さんの尊厳を守ること。
そして、介護職自身も安心して働ける環境をつくることです。
利用者さんを大切にするために、職員が無理を重ね続ける必要はありません。
介護の仕事を続けたいと思える人が、安心して働ける職場が増えてほしい。



現役の介護職として、これからもそのために自分ができることを考えていきたいと思います。
※無理な勧誘なし
※顔出し不要(Zoom音声のみOK)
※途中でやめてもOK
※相談内容は外に漏れません








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