「今日の夜勤、きつすぎる…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
- 朝の申し送りまで気が抜けない
- 仮眠時間になっても眠れない
- 記録を始めた途端に、呼ばれる
- コールが続き落ち着かない
- 介助が重なり、予定していた仕事が進まない
夜勤は限られた職員で多くの利用者さんを支えるため、日勤とは違った大変さがあります。
私は特別養護老人ホームで20年働き、夜勤を1,500回以上経験してきました。現在もグループリーダーとして介護現場で働いています。
これだけ経験しても、夜勤が楽になるわけではありません。

ただ、経験を重ねるなかで、業務の進め方を少し変えるだけでも、負担を軽くできる場面があると感じています。
この記事では、夜勤中によくある困りごとを取り上げながら、現場で実践できる工夫を紹介します。
介護職の夜勤がきついと感じる3つの場面


介護職の夜勤では、時間帯によって忙しさの原因が異なります。特に負担を感じやすい3つの場面を見ていきましょう。
就寝前に介助が集中して休む暇がない
夜勤が始まって間もない時間帯は、就寝に向かって特に忙しくなっていきます。
夕食後の排泄介助、口腔ケア、更衣、就寝介助など、限られた時間に複数の業務が重なるためです。
利用者さんによって就寝する時間や必要な介助も異なり、思うように進まないことがあります。
その結果、次の業務が気になり、時間に追われてしまう。
しかし、焦って介助すると、確認不足による事故につながる危険もあります。



忙しい時間帯ほど、利用者さんの状態を確認しながら安全に介助することが大切です。
ナースコールで予定通りに動けない
「今日は落ち着いているな」
そう思った途端に、ナースコールが止まらない。
介護職なら、一度は経験があるのではないでしょうか。
記録を書こうとするとコールが鳴り、対応を終えて戻ると別の利用者さんから呼ばれる。
その繰り返しで、記録がほとんど進まない夜もあります。



ナースコールが続くことに加え、複数の業務が重なると、対応する順番の判断も難しくなります。
特に少人数の夜勤では、予定外の対応が続くほど負担が大きくなりがちです。
明け方の起床介助と朝の業務が重なる
長い夜勤も、朝が近づくともうひと頑張りです。
しかし、明け方は夜勤のなかでも忙しくなりやすい時間帯です。
- 起床介助
- 排泄介助
- 更衣や洗面の介助
- 朝食前の準備
- 日勤者への申し送り
施設によって業務内容は異なりますが、短時間に多くの対応が必要になります。



夜勤後半は疲労も蓄積しているため、普段なら気にならないことにも焦りを感じてしまう時があります。
勤務終了が近いからこそ、最後まで安全を優先した対応が必要です。
夜勤開始時に確認・準備しておきたい3つのこと


夜勤の負担を軽くするには、勤務開始時の情報確認と準備も大切です。
①利用者さんの体調変化と夜間の注意点を把握する
夜勤に入る際、申し送りで特に確認したいのが利用者さんの状態です。
例えば、
- 転倒の危険性が高まっていないか
- 普段と違う行動や様子がなかったか
- 日中に発熱や体調変化がなかったか
- 当日に排泄状況に変化がなかったか
こうした情報を確認することで、夜間に注意が必要な利用者さんを把握できます。



体調の変化があった場合は、観察する項目や報告が必要な状況を、施設の手順に沿って確認しておきましょう。
夜勤開始時に必要な情報を整理しておくと、急な変化にも対応しやすくなります。
②介助方法と応援体制を確認する
夜間は職員数が少ないため、介助方法や応援体制の確認が欠かせません。
二人介助が必要な利用者さんについては、誰と協力して対応するのかを把握しておく必要があります。
また、体調の急変などに備えて、次の点も確認しておきましょう。
- 応援が必要な場合の連絡方法
- 緊急時に連絡する看護師や管理者
- 夜間の急変時に使用する設備や物品の場所
一人夜勤の場合も、緊急時の連絡手順を把握しておくことが重要です。



夜勤が始まってから慌てないように、必要な支援を受けられる体制を確認しておきましょう。
③夜間に必要な物品を準備する
夜勤中、必要な物品を取りに戻ることが何度もあると、それだけ移動が増えます。



例えば、おむつ交換中に手袋や清拭用品が足りなくなると、介助を中断することになります。
夜勤開始時に、必要な物品の場所や補充状況を確認しておくと安心です。
ただし、物品を準備する際は、衛生管理や施設のルールを守ることが前提です。
小さな準備でも、積み重なることで夜間の無駄な動きを減らせます。
介護職の夜勤中に負担を軽くする5つの工夫
夜勤では、予定していた業務がそのまま進むとは限りません。
私が20年間の介護現場で大切だと感じているのは、
すべてを急いで終わらせるのではなく、状況に合わせて安全に仕事を進めることです。
ここからは、夜勤中に取り入れたい5つの工夫を紹介します。
①ナースコールへの応答を遅らせず気持ちを整える
ナースコールが何度も続くと、気持ちに余裕がなくなることがあります。
「また鳴った…」
そんなふうに感じる日もあるでしょう。



私自身、長く夜勤を経験していても、業務が重なると焦ることがあります。
そんなときに大切なのは、焦りやイライラを利用者さんへの対応に出さないことです。
まずはナースコールに速やかに応答し、利用者さんの状況を確認します。
そして、居室へ向かいながらゆっくり息を吐き、焦る気持ちを落ち着かせましょう。
忙しさから声が強くなったり、言葉遣いが雑になったりすると、利用者さんを不安にさせることもあります。
忙しいときほど、落ち着いた声かけと丁寧な対応を心がけることが大切です。
②複数の業務が重なったら緊急性で判断する
夜勤中は、いくつもの業務が同時に発生することがあります。
例えば、記録を入力している途中でナースコールが鳴った場合です。
コールの内容によっては、記録を中断して対応する必要があります。
また、転倒や体調の急変が疑われる場合には、速やかな確認と対応が欠かせません。
こうした場面では、次の点を意識します。
- すぐに対応する必要があるか
- 応援や看護師への連絡が必要か
- 利用者さんに差し迫った危険がないか


※実際には各段階を並行して判断し、緊急対応を遅らせない
複数の対応が重なったときほど、状況を確認して判断することが大切です。



もちろん、緊急性の判断に迷う場合は、一人で抱え込まず、施設の手順に沿って報告・相談しましょう。
業務を早く終わらせることよりも、利用者さんの安全を守ることを優先します。
③記録は必要な情報を整理して入力する
「記録を書こうとした瞬間にナースコール」
介護現場では、よくあることです。
対応から戻ったときに、何を書こうとしていたのか忘れてしまう場合もあります。
記録をすぐに入力できない場合は、必要な情報を簡潔にメモしておくと、後から正確に記録しやすくなります。
例えば、排泄介助の記録を入力する前に別の対応が必要になった場合です。
対応後、排泄時間や便の性状、利用者さんの様子を施設のルールに沿ってメモしておくと、記録を再開しやすくなります。
ほかにも、次のような情報を意識しておくとよいでしょう。
- 対応した時間
- 実施した介助
- 普段と違った点
- 利用者さんの様子
また、メモを残す場合は、施設が指定する記録用紙や端末を使用し、個人情報の管理にも注意が必要です。
正式な記録への入力やメモの処理も、施設のルールに従いましょう。



記録をため込まない工夫と、正確な情報を残すことの両方が大切です。
④手が足りないときは具体的に応援を頼む
夜勤中、どうしても一人では対応が難しくなることがあります。
例えば、転倒リスクが高い利用者さんが何度も立ち上がり、歩き回っている場合です。
目が離せない状況で他の方の対応も重なると、一人では対応しきれず、応援が必要になることがあります。



そのような状況で一人で対応すると、見守りが行き届かず、転倒や事故につながるおそれがあります。
必要な場合は、遠慮せずに応援を求めましょう。
その際は、
Aさんが何度も立ち上がり、転倒の危険があります。他の方の対応もあるので、見守りをお願いできますか?
というように、必要な対応を具体的に伝えると分かりやすくなります。
一方、一人夜勤など、すぐに応援を頼めない職場もあります。
その場合は無理な介助を行わず、安全を確保したうえで、施設で定められた連絡体制を活用することが重要です。



協力が必要な場面を見極めることも、夜勤を安全に進めるための大切な判断です。
⑤巡視や介助の動線を意識して無駄な移動を減らす
夜勤では、施設内を何度も移動することがあります。
必要な移動ですが、同じ場所を何度も行き来していると、身体への負担も大きくなります。
そこで意識したいのが、巡視や予定されている介助の動線です。
動線とは、介助や巡視で職員が移動する経路のことです。



例えば、決められた巡視時間や利用者さんの状態に合わせて、無駄なく回れる順番を考えましょう。
ただし、移動を減らすことが目的になってはいけません。
施設で決められた巡視や、利用者さんに必要な介助を省略しないことが前提です。
利用者さんの安全を守りながら、無駄な動きを少しずつ減らしていきましょう。
夜勤の仮眠で眠れないときはどうする?


やっと仮眠時間になっても眠れず、眠れた頃には起きる時間になってしまう。
夜勤をしていると、そんなこともあります。
私自身、今でも仮眠の難しさを感じることがあります。
特に、
- ナースコールが気になる
- 何か起きたらどうしようと考える
- 利用者さんの声が聞こえる気がする
こうした状態では、なかなか気持ちが落ち着かないこともあります。
少しでも休息しやすい環境を整えるために、次の3つを意識してみましょう。
- 深呼吸をして気持ちを落ち着かせる
- 眠れなくても、静かな環境で身体を休める
- 仮眠前はスマートフォンをできるだけ見ない
スマートフォンを見続けると、休むつもりが時間を使ってしまうこともあります。
また、眠れないからといって焦る必要はありません。
ただし、目を閉じて休むだけでは、睡眠の代わりにはなりません。



眠れない状態が続く場合は、仮眠環境や休憩の取り方について、職場で相談することも必要です。
なお、法律上の休憩と、施設で設けられている仮眠時間は必ずしも同じではありません。
夜勤中の休憩を確保し、仮眠できる職場では安心して身体を休められる環境を整えることが大切です。
※無理な勧誘なし
※顔出し不要(Zoom音声のみOK)
※途中でやめてもOK
※相談内容は外に漏れません
夜勤の負担を減らすには業務の見直しも必要
ここまで紹介した工夫は、夜勤者自身が取り組める内容です。
しかし、
業務量や職員配置など、個人の努力だけでは解決できない問題もあります。
夜間の排泄状況と下剤の影響を確認する
夜勤中、利用者さんの排便が続き、何度も排泄介助が必要になることがあります。
このような場合は、排便の時間や回数を確認し、利用者さんに合ったケアができているか見直すことが大切です。
例えば、夕食時に下剤を服用している場合です。
下剤は種類や利用者さんの体質によって、効果が現れる時間が異なります。
そのため、夜間に排便が続き、利用者さんの睡眠を妨げてしまうこともあります。



ただし、夕食時の服用には医療上の理由がある場合もあり、必ずしも問題があるわけではありません。
介護職は、次のような情報を記録し、看護師や医師と共有しましょう。
- 便の状態や量
- 排便した時間と回数
- 腹痛や不快感の有無
- 排便による睡眠への影響
こうした情報は、下剤の服用時間や排便ケアを見直す際の判断材料になります。
なお、介護職の判断だけで下剤の量や服用時間を変更してはいけません。
利用者さんの睡眠と適切な排便管理を両立するために、看護師や医師と連携することが大切です。
朝の業務が集中する時間帯を見直す
夜勤終盤の忙しさを減らすには、業務の流れそのものを見直すことも必要です。
例えば、毎回同じ時間帯に業務が集中している場合は、その原因を整理してみましょう。
- 一人の職員に介助が集中していないか
- 何時頃に、どのような業務が重なっているのか
- 朝食準備や起床介助など、日勤者に引き継げる業務はないか
こうした点を確認することで、勤務体制や業務分担を見直すきっかけになります。



ただし、夜勤の負担を減らすために、利用者さんを早く起こしたり、介助を急がせたりしてはいけません。
利用者さんの生活リズムを大切にしながら、職員の負担も軽くできる方法を考えることが重要です。
夜勤者の努力だけで解決しようとしない
業務の進め方を工夫しても、負担が軽くならない場合があります。
例えば、
- 応援を頼める職員がいない
- 休憩時間に何度も対応を求められる
- 決められた時間内に業務が終わらない
- 一人で複数の利用者さんに対応しなければならない
こうした状況が続く場合は、夜勤者個人の努力だけで解決しようとしないことが大切です。
改善を求める際は、困っている状況を具体的に整理して伝えましょう。



「夜勤が大変です」だけでなく、業務が集中する時間帯や具体的な状況を伝えると、問題を共有しやすくなります。
現場の負担を減らすには、職員同士の工夫に加えて、管理者による業務体制の見直しも欠かせません。


今の職場で改善が難しいときは、ほかの働き方も考えてみる
夜勤の負担を減らすために工夫しても、職員数や勤務体制が変わらなければ、改善が難しいこともあります。
そんなときは、今すぐ辞めると決めなくても、ほかの職場の働き方を知っておくことも一つの方法です。
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まとめ|介護職の夜勤がきついときは業務の進め方を見直そう
介護職の夜勤は、身体的にも精神的にも負担が大きい仕事です。
そのなかでも、業務の進め方を見直すことで、軽くできる負担があります。
今回紹介した5つの工夫を振り返りましょう。
- 必要な情報を整理して記録する
- 手が足りないときは具体的に応援を頼む
- 複数の業務が重なったら緊急性で判断する
- ナースコールへの応答を遅らせず気持ちを整える
- 巡視や介助の動線を意識して無駄な移動を減らす
すべてを一度に変える必要はありません。
次の夜勤で、自分にできそうなことから試してみてください。
そして、忘れないでほしいことがあります。



夜勤がきついのは、必ずしも自分の仕事の進め方が悪いからではありません。
業務量や職員配置など、個人では解決できない問題もあります。
利用者さんの安全を守ることと、自分自身の負担を減らすことは、どちらも大切です。
無理を重ねず、少しでも安心して働ける方法を考えていきましょう。
※無理な勧誘なし
※顔出し不要(Zoom音声のみOK)
※途中でやめてもOK
※相談内容は外に漏れません









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